体重が増えて体の見た目が変わってくると、なんだか自分じゃないような気がして気持ちが悪い。もちろん筋肉が増えることはトレーニングが継続できている証だし、誇らしくもあるのだが、それはそれとして違和感がある。もし僕が女に生まれていたら、第二次性徴は耐え難い苦痛だったろう。それは単に体が変わるだけでなく、性的な成熟の意味合いを持つ。それが自分の身に起こると想像しただけで体がむず痒くなる。T君は彼女と分かれたことをきっかけに筋トレを始めたらしい。夜、T君と弟と歩く。久しぶりに吉田山に登ると、公園に筋トレ器具が設置されていた。少しだけ懸垂をする。アメリカで13年ゼミと17年ゼミが同時に発生しているらしい、などと話す。それを契機に、wikipediaで動物の記事を読む。カモノハシとハリモグラが同じ哺乳類単孔目という仲間であり、「単孔」とは消化器と性器が一つの穴を共有していることを指すことを知った。もし人間がそうだったら、男性のアナルセックスは今のようにアブノーマルなものとして扱われていただろうか。それとも、男性同士の性交というだけでも一定の差別と偏見に晒されるだろうか。どうも後者な気がする。僕はいつ女性には膣があるということを知ったのだろう、とふと思った。