休学手続きのために主任の先生と面談した。その先生とは入学して最初の学期に授業を取って以来縁がなかったのだが、こちらのことを覚えてくれていたようで嬉しい。髪が伸びたねと言われた。面談は事務的な調子ですんなり終わった。昨年は「体調不良」による休学ということになっていたので、あまりその間のことについて詮索しないようにしようという意識があったのだろう。それはありがたいことではあるのだが、しかし相手がこちらの私的な部分に踏み込むような質問ができない場面は、こちらからどの程度喋るべきなのかが分からなくて困る。休学中のことをまったく話さないのも会話が不自然になる(と僕は感じる)し、だからといって聞かれていないことをべらべら喋るのもある種の自己顕示のようで気が引ける。どこまで話せばコミュニケーションとして十分かという加減が分からない。この問題は他人との全ての会話につきまとっていて、雑談をするたびに薄気味悪さが後味に残る(私は正しく振る舞えていたか?)。しかし雑談に正しさを求めるなどそもそも馬鹿げている。よってこの感覚は不安と呼ぶのが適切だろう。年を重ねて過去の量が増えるにつれて、不安も募っていく。