不眠に由来する体の重さを憂鬱と取り違えてしまったが、気を取り直してストレッチをした後、彼女と川に浸かった。サンダルが何度も流されて、三度目でついに取り返せなくなってしまった。彼女は新雪を踏みしめるような食感の、滅多に食べられない特別なチョコモナカジャンボがあると言う。僕は溶けかかっているだけだろうと言う。コンビニでそれを買って、少しずつ食べて確かめる。結果、僕の主張の正しかったことが分かったが、しかし僕は今日までチョコモナカジャンボは溶けかけが美味しいということを認識していなかった。感覚の陶冶。錯誤や取り違えが不安を呼ばないように、よくよく観察すること。